働きやすい職場環境

時間単位の年次有給休暇制度

制度概要

時間単位の年次有給制度とは、1年に5日(1日の所定労働時間が8時間の場合は40時間)を上限として時間単位で有給休暇が取れる制度です。時間単位年休を導入するかどうかは企業の任意で義務ではありませんが、「労働者のワークライフバランス向上に取り組んでいる企業」というプラスの印象を持たれやすくなり、企業の社会的価値の向上につながります。

メリット

  • 有給取得率の向上が期待できる。
  • 企業の社会的価値の向上につながる。
  • 数時間で済む私用がある場合に活用できる
  • ワークライフバランスの実現が図れる

デメリット

  • 有給の管理方法が複雑になる
  • 有給の時季変更権が認められにくい傾向がある
  • 時間単位年休がどのくらい残っているかを確認する手間が増える

制度導入の全体像

時間単位の年次有給休暇制度の導入を成功させるには、経営者が積極的に時間単位の年次有給休暇を推進できる体制づくりを行うことが重要です。経営者が積極的な場合には時間単位年休の導入が一気に進み、そうでない場合にはどんなに従業員が望んでいたとしても導入はなかなか進まないことが殆どです。経営者が有給休暇取得に積極的ではない企業においては、時間単位でも取得しやすい環境を整え、経営者の意識を変えていくことが何よりも重要です。

STEP
対象労働者の範囲を定める
各業務の特性を考慮して適用労働者の範囲を定めます。原則、すべての労働者が時間単位の有給休暇を取得できる制度内容にしておくべきです。
STEP
時間単位年休の日数を定める
時間単位で付与できる年休は5日以内であり、労使の合意によってもこれを上回ることはできません。前年度からの繰り越しがある場合でも5日以内となります。
STEP
1日の時間数を定める
1日分の年休が何時間分の時間単位年休に相当するかについて、個々に定めます。
STEP
取得単位を定める
分単位で取得することは認められないが、1時間単位だけでなく、2時間・3時間などとすることも可能です。
STEP
労使協定を締結する
労働者が時間単位の有給休暇を取得できるようにするためには、労使協定の締結が必要になります。尚、この労使協定は所轄の労働基準監督署に届け出る必要はありません。
STEP
就業規則に記載をする
常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成し、行政官庁に届出を行います。

留意点

対象労働者の範囲

「育児を行う労働者に限る」というような対象範囲の設定は認められない。

時間単位年休の日数

5日を超える時間単位年休の取得は認められない。前年度からの繰り越し分を含む。

1日の時間数

所定労働時間に1時間未満の時間数がある場合、1日の所定労働時間を下回らないようにする。

取得単位

分単位での取得は不可。

時間単位年休制度導入に活用できる助成金

社員に時間単位で年休を取得場合、厚生労働省や各自治体から助成金・補助金が受け取れる可能性があります。受給するには業種や社員数、導入環境などの条件が定められていますが、幅広い業種・規模の企業に適用できるように設定されています。

働き方改革推進支援助成金

時間単位年休制度を新規に導入する中小企業事業主向けに、労働能率の増進に資する設備・機器などの導入就業規則の変更等にかかった費用の一部が助成されます。


導入事例

会社名
株式会社コンプライアンス
業種
情報通信業

導入目的

  1. 在宅勤務社員の仕事と家庭の両立を図る。
  2. 有給取得率の向上を図る。
  3. 従業員満足度を高める。

取り組み内容

  1. 時間単位での有休管理ツールを導入。
  2. 短時間正社員の取得日数設定。
  3. 現行の就業規則に時間単位有給に必要な規定を定める。

導入サポート

働き方改革推進支援助成金を活用して費用を抑えることが可能です。

B.就業規則作成・変更

時間単位年休制度導入に必要な規定を定めます。

S.助成金申請プラン

時間単位年休制度導入コンサルティングと規程作成、「働き方改革推進支援助成金申請」を併せてご提供するフルサポートプランです。

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